みんなが一度は耳にしたことがある言葉「弱酸性」。
いつ頃からか私達の生活の一部として、存在しています。一昔前に比べ、今では非常に効き慣れた言葉だと思います。
手を洗う洗剤からスキンケアコスメなど実に幅広い商品で、この「弱酸性」が使用されています。そんな弱酸性が髪の毛や頭皮にも良いということで、今では弱酸性のシャンプーが販売されています。
弱酸性のシャンプーとは、私達の髪の毛や頭皮にどのような影響を与え、どんな効果があるのでしょうか?
本記事では、pH(ペーハー)値の基本的考えをもとに、弱酸性が私達の頭皮・髪の毛に良い理由を書いていきます。最後に私が選んだ弱酸性シャンプーも載せておきます。シャンプー選びの参考にして下さい。
pH(ペーハー)値とは何か?
弱酸性のシャンプーを語る上で避けて通れないものが、このpH(ペーハー)値です。
pH(ペーハー)値とは何か?まずは基本的なことを簡単に解説していきます。
因みに最近ではペーハーと呼ぶのではなく、ピーエイチと呼ぶのが主流になっているそうです。私はペーハーで習った年代なので、ピーエイチだと若干抵抗があります…(笑)
pH値とは、水溶液の性質を表す単位です。ちょっと分かりやすく言うと、物を液体にとかした時の水質を数値化したものがpH値になります。
このpH値は0~14までの数値で表され、それぞれに酸性・中性・アルカリ性という名前とその度合いの数値があります。
pH値7が中性です。そこから0に数値が下がる程、酸性が強くなっていきます。逆にpH値7から14に数値が上がる程、アルカリ性が強くなっていきます。
なのでpH値10の液体よりも、pH値13の液体の方がアルカリ性の度合いが強いことになります。
ココがpH値の基本です。
そして酸性・中性・アルカリ性には、それぞれ特徴があります。
- 酸性
舐めると酸っぱい。レモンやお酢
- 中性
舐めても普通。純水
- アルカリ性
舐めると苦い。石鹸や重曹
基本的に舐めると酸っぱく感じるものが酸性で、舐めると苦く感じるものがアルカリ性、中性は水と思っていればOKですが、実際に舐めて確かめようとすると危険ですので、絶対に舐めないで下さい。
pH値を調べたいときは、専用のpH試験紙や水質測定器を用いることで測定できます。
上の画像のような試験紙に液体を浸透させて、そこから何色に変化したかによってpH値を割り出す方法やデジタル計測できる物もあります。Amazonなどで売られています。
酸性・中性・アルカリ性が働きかける髪の毛への効果
先ほど言ったようにpH値には酸性・中性・アルカリ性の3つがあります。これらのpH値が髪の毛にどのような影響を及ぼすのか、髪の毛への効果を見ていきましょう。
まず髪の毛の表面にはキューティクルというものが存在しています。このキューティクルとは、髪の毛の水分を保ち乾燥を防いだり、紫外線や風などの外的刺激から髪の毛を守ってくれるもので、キューティクルが閉じている方が良い状態になります。
このキューティクルが酸性、アルカリ性などのpH値によって、「開いたり」、「閉じたり」します。
酸性であれば、キューティクルは閉じる。
アルカリ性であれば、キューティクルは開く。
私達の髪の毛には、このような性質があり酸性・中性・アルカリ性のpH値によってキューティクルの状態が変化していきます。
髪の毛にとっては当然キューティクルは閉じている状態の方が良いです。なので酸性とアルカリ性どちらかといえば、酸性の方が髪の毛には良いということです。
キューティクルが閉じている方が良い理由としては、先程も少し言いましたがキューティクルが開いているとそこから髪の毛に含まれる本来の水分が蒸発してしまい、パサパサする乾燥した髪の毛になります。
このパサパサして乾燥した髪の毛は、くせ毛の原因にもなります。なので髪の毛がウエーブしたり、クルクルしてきます。湿気の多い日には余計にくせ毛っぽくなるし、髪の毛の艶(つや)もなくなってしまいます。それだけではありません。
キューティクルが開いた状態だと、紫外線やドライヤーの熱、強風などの外的刺激から髪の毛が守られずに傷みの原因になります。髪の毛が傷んでくると自然に髪の毛は細く、弱くなりそれが薄毛・抜け毛の原因にもなりかねません。
以上のことから髪の毛はキューティクルが閉じる酸性の方が良い結果をもたらしてくれます。
では、どれぐらい酸性の方が良いのでしょうか?酸性の方が良いと言ってもpH値0が良い訳がありませんよね。私達の頭皮・髪の毛に最適なpH値はいくつなのか?
次を見て行きましょう。
頭皮・髪の毛に最適なpH(ペーハー)値はいくつ?
私達の頭皮・髪の毛に最適なpH値は約4.5~5.5と言われています。
先程の図で言うとこの辺りです↓
このpH値4.5~5.5これがいわゆる「弱酸性」と言うものですね。
では、何故この弱酸性が私達の頭皮・髪の毛に良いのか?
それは私達の頭皮や髪の毛は、もともと弱酸性だからです。
この頭皮や髪の毛と同じように弱酸性に1番近い性質のシャンプーやトリートメントを使用することで、頭皮への刺激を最小限に抑えることができます。
また、頭皮の皮脂を適度に取り除いてくれるのに最適なシャンプーこそが、弱酸性のシャンプーになります。
頭皮が弱酸性である理由
そもそも頭皮は何故、弱酸性なのか?その理由も簡単に解説しておきます。
頭皮というか、私達の皮膚全般の話になります。
1つ目の理由としては、有害な細菌からの攻撃・侵入を防いでくれることです。
「頭皮が弱酸性=殺菌作用がある」ということです。
2つ目の理由が、頭皮を弱酸性に保つことによって、私達の身体にもともと存在している皮膚常在菌が適度に繁殖します。この皮膚常在菌たちも有害な細菌が皮膚へ侵入してくるのを防いでくれているんです。
「頭皮が弱酸性=細菌の侵入を防ぐ」ということです。
弱酸性の頭皮+皮膚常在菌の2つの力で他の攻撃から私達の頭皮(皮膚)を守ってくれています。
そんな弱酸性の頭皮を維持するために、私達の身体は皮脂と汗を分泌することによって、弱酸性を保とうとしてくれます。
このような理由で、頭皮は弱酸性になっています。
逆に弱アルカリ性のシャンプーはどうなの?
弱酸性シャンプーではなく、逆に弱アルカリ性シャンプーは頭皮にどうなの?っていう話です。弱アルカリ性シャンプーというのは石鹸系シャンプーのことです。
弱酸性シャンプーよりも弱アルカリ性シャンプーの方が頭皮に良いという意見もあります。
弱アルカリ性シャンプーが頭皮に良い2つの理由。
- 洗浄力が強く、しっかり洗える
- アルカリ中和能の働きにより、頭皮が健康的になる
こんな感じですかね。それでは簡単に見て行きましょう。
洗浄力が強く、しっかり洗える
初めに言っておきますが、基本的に弱酸性のシャンプーよりも弱アルカリ性のシャンプーの方が頭皮の皮脂を良く洗い落としてくれます。
これは何故かと言うと、頭皮や髪の毛は弱酸性ですと言ってきましたが、頭皮は汗や皮膚常在菌などの働きにより弱酸性を保っています。
この皮膚が弱酸性であることで、雑菌やカビ、ウイルスなどの外からの侵入を防いでくれています。
なので、頭皮に溜まる汚れ・皮脂・角質といったものは「酸性の汚れ」になります。
汚れを落とす事だけを考えた時、中和させることで汚れは落ちやすくなります。
分かり易い例でいうなら食器にこびり付いた食べ物の汚れやキッチン周りの油の汚れなどは「酸性の汚れ」に属します。
それらを洗い流すのに使用している食器用の洗剤や重曹などは、アルカリ性になります。
これは酸性の汚れをアルカリ性の洗剤で中和させることで、汚れを浮き上げさせてから洗い落とす原理です。
逆も同じで浴槽にある水アカなどは「アルカリ性の汚れ」に分類され、これらを綺麗にするときは、先程とは逆に酸性の洗剤を使用することで効果的に汚れを落とすことができます。
頭皮・髪の毛は弱酸性であり、皮脂や角質など頭皮の汚れも「酸性の汚れ」になります。なのでアルカリ性の洗剤を使用し中和させることで、頭皮の毛穴も開き効果的に汚れを取り除くことができます。
これが弱アルカリ性シャンプーが頭皮に良い1つ目の理由です。
しかし、これは汚れを落とすことだけを考えた場合です。
何が言いたいのかというと、食器洗いや洗濯ならばこのような考えで洗剤を選べば良いんですが、私達の身体にとってこの選択が適切かどうか疑問が残ります。
酸性の汚れなのだから、弱酸性シャンプーでは汚れは落ちないのか?
と思いますが、そうではなくある程度の皮脂や角質は洗い流してくれます。
汚れが落ちやすいということは、刺激が強いということでもあります。そもそも頭皮の皮脂は、過度に取り過ぎると良くありません。
弱酸性のシャンプーは洗浄力がマイルドな為、刺激が弱く頭皮の毛穴を開かせることもないので、皮脂を適度に取り除いてくれます。アルカリ性シャンプーは洗浄力が強く毛穴の奥の皮脂をも取り除くことができますが、これが原因で皮脂が足りなく乾燥気味になったり、皮脂が取り除かれたことで頭皮バリアが弱くなると身体が反応し皮脂を過剰に分泌させることになる可能性もあります。
また、髪の毛はキューティクルの関係上、弱酸性の使用が適切です。仮に弱アルカリ性のシャンプーをした場合はトリートメントを弱酸性にすることでキューティクルを閉じさせる必要があります。
アルカリ中和能の働きにより、頭皮が健康的になる
ちょっと難しく聞こえますが、簡単に説明します。
弱酸性の頭皮を弱アルカリ性のシャンプーで洗うことで、「アルカリ中和能」という働きが発生します。
これは弱アルカリ性シャンプーによって洗われた頭皮はアルカリ性になろうとします。ですが私達の身体は頭皮を酸性に戻そうと頑張ります。アルカリ中和能とは、この反発する働きの事です。
頭皮がこのように抵抗することによって、鍛えられ強く健康的になることです。
これが弱アルカリ性シャンプーが頭皮に良い2つ目の理由です。
この考えも非常に分かります。なのでネット上では人により意見が割れていると思います。どちらが間違っているという訳ではありません。
弱酸性シャンプーにも弱アルカリ性シャンプーにもそれぞれに良い所と悪い所があるので一長一短です。しかし頭皮環境が弱い人や荒れている人には正直オススメできません。
弱酸性シャンプーが頭皮と髪の毛に良い理由
ここまで、弱酸性シャンプーや弱アルカリ性シャンプーが私達の頭皮や髪の毛にどのような影響を与えるのか?ってことをpH値の観点から見て頂きましたが、ここで1回まとめておきます。
弱酸性シャンプーが良い理由
- キューティクルが閉じる為、髪の毛に優しい。
キューティクルが閉じると髪の毛に必要な水分を逃さない。髪の毛の潤いを保ち、パサパサした髪の毛やくせ毛の人に効果が高い。
- 頭皮と同じpH値なので、頭皮に優しい。
弱酸性の性質上頭皮の負担を最小限に抑えることができる。皮膚が弱い人、頭皮環境に不安を感じている人に効果が高い。
こんな感じですね。
では、逆に欠点は何なのか?ってことで弱酸性シャンプーが悪い理由も見てみましょう。
弱酸性シャンプーが悪い理由
- 頭皮に優しい分、洗浄力が弱い。
頭皮に優しい分、洗浄力が弱く油汚れが弱アルカリ性に比べ落とし難い。
- 頭皮に優しい為、アルカリ中和能が働きかけない。
頭皮と似たpH値の為、アルカリ中和能が発動しない。その為、貧弱な頭皮になってしまうかもしれない…。
まとめるとこんな感じです。
私がオススメするのは弱酸性のシャンプーですが、これは各個人の相性や頭皮環境によって違ってくるでしょう。
弱酸性シャンプーならばどれでも良いのか?
弱酸性シャンプーにも色々な種類があります。ココまでの話の中で弱酸性シャンプーならどれでも良いのか?と聞かれたらそうではないと答えます。
今まではpH値の観点からシャンプー見てきましたが、弱酸性のシャンプーでも洗浄成分が石油系の界面活性剤を使用している場合はオススメ出来ません。というか石油系の界面活性剤を配合しているシャンプーは即刻、中止するべきです。
界面活性剤に付いて詳しくは「サクセスのシャンプーは危険なのか!?噂の真相を解明。」に書いてありますのでお読み下さい。
この他にもノンシリコンやパラベンフリーなど色々と見る処はあります。製品の裏に記載されている成分表を見て1個1個インターネットで検索していけば、どのシャンプーを使用して良いのか大体分かると思います。
ですが、この作業が正直めんどくさいです。
ネット上に書いてあるものが本当かどうかも確かめながら、この作業を1つの製品ずつやっていくのは骨が折れます…。
当サイトがオススメしているシャンプーは全て弱酸性のアミノ酸系シャンプーです。なので当サイトで紹介しているシャンプーは安全です。
最後に私が選んだ「髪の毛に良い弱酸性のアミノ酸系シャンプー3選」を載せておきますので参考にして下さい。
弱酸性シャンプーがオススメな人
弱酸性シャンプーがオススメな人が、以下になります。
- 乾燥肌・敏感肌の人
これは現に私がそうだったのですが、頭皮が乾燥している人は現在使用しているシャンプーの洗浄成分が強い可能性があります。弱酸性シャンプーを使用することで過度に皮脂を取らず潤いを残した頭皮になり乾燥肌・敏感肌の人にも最適です。
- アトピー性皮膚炎の人
アトピー性皮膚炎の人も乾燥肌や敏感肌の人と同じく、強い洗浄成分やpH値の関係上合っていない可能性が高いです。同じ弱酸性のシャンプーであっても商品によってpH値は異なります。実際に1週間ぐらい使用し続けないと効果の程は分かりませんが、自分に合ったシャンプーを弱酸性の中から探すことが近道です。
- 頭皮環境が悪化している人
頭皮環境が悪化している人とは、頭皮のかさぶた・ニキビ・湿疹・かゆみ・フケなどです。頭皮環境が悪化している人は頭皮が炎症している人が多く、この炎症の原因がシャンプーの可能性が高いです。シャンプーを変えるだけですんなり治ってしまう人も多いですね。
- 薄毛・抜け毛に悩んでいる人
そもそも薄毛・抜け毛に悩んでいる人の為に、これらの記事を書いています。当サイトでは、弱酸性のシャンプーが薄毛・抜け毛にとって1番ベストだと考えています。
- 髪の毛がパサパサしている人
キューティクルの関係上、髪の毛がパサパサしている人は、キューティクルが開いている状態が多いのかもしれません。弱酸性のシャンプーを使用することにより、キューティクルが閉じてくれます。これにより潤いのある艶やかな髪の毛を目指しましょう。
- ヘアカラー、白髪染めをしている人
髪の毛がパサパサしている人と同じで、ヘラカラーや白髪染めはアルカリ性によって強制的にキューティクルを開いて色を付けています。そんな方こそシャンプーでキューティクルを閉じないとシャンプーする度に色が落ちていきます。
頭皮がデリケートな人で皮脂分泌が少ない人は、特に弱酸性のシャンプーを使用した方が良いです。
皮脂の分泌が多い人は弱アルカリ性のシャンプーでも良いと思いますが、弱酸性のトリートメントもしなければならない為、特に男性には手間が掛かります。
なので弱アルカリ性のシャンプーを使用する前に、最初は弱酸性のシャンプーから使い始めてみても良いでしょう。
私が選んだ髪の毛に良い弱酸性のアミノ酸系シャンプー3選
ココでは、私が選んだ髪の毛に良い弱酸性のアミノ酸系シャンプーとして、3つ紹介しておきます。
弱酸性シャンプー選びの参考にして下さい。
CU(チャップアップ)シャンプー
公式サイト⇒「CU(チャップアップ)シャンプー」
シャンプーの中でも2016年に発売されたばかりの弱酸性シャンプーがCU(チャップアップ)シャンプーです。
このシャンプーの特徴は、美容師や毛髪診断士といった髪の毛のプロ達が開発を手掛けたシャンプーというところ。あの育毛剤チャップアップを開発している会社なので育毛剤とも相性が抜群!
実は現在、私自身も愛用中の弱酸性シャンプーです!
こちらの記事「チャップアップシャンプーの成分と効果を解析。濃密アミノ酸系の決定版!」も参考にして下さい。
haru黒髪スカルプ・プロシャンプー
公式サイト⇒「haru 黒髪スカルプ・プロ 」
haru黒髪スカルププロシャンプーの特徴は、薄毛・抜け毛の他に白髪にも効果が期待できるという画期的なシャンプーです。特に女性に人気のあるシャンプーです。
独自配合された成分「ヘマチン」により白髪へアタックしてくれます。こちらの記事「haruシャンプーで白髪を改善できるのか!?成分と効果を解析。」にharuシャンプーがどのように白髪にアプローチしていくのかを解析していますので参考にして下さい。
スカルプDシャンプー
公式サイト⇒「スカルプDシャンプー 」
スカルプDシャンプーは知らない人もいないかもしれません。育毛シャンプーの火付け役と言えばこのスカルプDシャンプーです。正直に昔はあまり良い成分では無く紹介する気もしていなかったのですが、知らないうちにかなり力の入った良いシャンプーに生まれ変わっていました。
スカルプDシャンプーの特徴は、3種類のシャンプーの中から選ぶことができます。それぞれ【超脂性肌用】、【脂性肌用】、【乾燥肌用】の3種類です。
スカルプDシャンプーの凄いところはそれだけではありません。こちらの記事「最新のスカルプDシャンプーの成分と効果を解析。育毛効果はあるのか…!?」を参考にして下さい。独自成分の効果が結構すごいと思います。
まとめ
弱酸性シャンプーが頭皮や髪の毛に良い理由。をpH値から考えてみましたが、中々濃い内容だと思います。
この記事を最後まで読んでくれた人は、弱酸性のシャンプーと弱アルカリ性のシャンプーどちらを使うのでしょうか?少し気になりますね。
どちらにしろ、あなたに合ったシャンプーが少しでも早く見つかることを願っています。
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