頭皮湿疹とは一般的に頭皮が赤くなり湿疹ができ、かゆみが生じるものです。この頭皮湿疹は皮膚炎と同じです。
ここでは頭皮湿疹の種類や特徴を知り、あなたの頭皮湿疹が何の種類で、何が原因で、その適切な対策は何かまでを書いていきます。また事例として、各湿疹の分かりやすい画像(写真)ものせています。
頭皮湿疹の種類や原因によって対策も違います。間違った対策は頭皮湿疹が悪化する場合もある為、注意が必要です。
頭皮環境を健全に保つことは、薄毛・抜け毛にとっても大切です。
もし、あなたが薄毛・抜け毛の対策をしたいと思っていても、これらの症状が出ているのでは髪の毛にとっても良くありません。まずは頭皮環境を健全な状態にして、それから育毛ライフを送りましょう。
頭皮湿疹の4つの種類、症状、特徴、画像
まず頭皮湿疹といっても様々で、あなたの頭皮湿疹がどれに該当するのか見極める為に、各種類、症状、特徴を把握しておくことが大切になってきます。
また、頭皮湿疹の画像だと見にくいので、各症状が分かりやすい部位の画像(写真)を引用しています。
頭皮湿疹の種類は大きく分けて以下の4つに分類されます。
頭皮湿疹の種類
- 接触性皮膚炎
(せっしょくせいひふえん) - アトピー性皮膚炎
(あとぴーせいひふえん) - 脂漏性皮膚炎
(しろうせいひふえん) - 乾皮症・皮脂欠乏症湿疹
(かんひしょう・ひしけつぼうしょうしっしん)
よく聞く名前から、あまり聞きなれない名前まで様々ですが、頭皮湿疹の種類として以上4つのものが代表的です。
そして、基本的な頭皮湿疹の流れは以下のようになります。
この様に頭皮が何らかの刺激を受ける事で、頭皮湿疹は発症します。これが今から話していく中での基本になります。
頭皮湿疹の基本用語
- 紅斑(こうはん)
赤い湿疹。頭皮が赤いてんてんになる。
- 丘疹(きゅうしん)
盛り上がった湿疹。丘のように表面がぼこぼこしている。
- 水泡(すいほう)
水を含んだ湿疹。水ぶくれみたいなもの。
頭皮湿疹について詳しく学ぶために、上記3語はちょくちょく出てきます。覚えておいて損なしです。
上記4つの種類の内、あなたの頭皮湿疹の症状はどれでしょうか?種類により原因と対策が違ってきます。間違った対策をすると頭皮湿疹が悪化する可能性もあります。
それでは、あなたの頭皮湿疹の種類はどれに当てはまるのか確認していきましょう。
確認方法として鏡の前に立ち手鏡を使って確認するか、家族に確認してもらうでも良いですが、携帯やスマホで頭皮を撮影すると確認しやすいのでオススメです。
接触性皮膚炎の症状と特徴
接触性皮膚炎とは俗に「かぶれ」とも言われています。症状としては金属や植物に触れた部分に紅斑、丘疹、水泡が出来ます。なので、触れた部分に赤いぶつぶつができ、ヒリヒリとした痒みや痛みを感じるでしょう。
皮膚が外的刺激を受けると、その刺激と接触した一部分のみが炎症する特徴があります。
↓接触性皮膚炎の画像↓
引用元:日本皮膚科学会
「かぶれ」は良く耳にすることがあるのではないのでしょうか!?植物に触れてかぶれる等が代表的です。
これは植物(ウルシなど)に接触した皮膚の一部が炎症するので「接触性皮膚炎」となります。
この接触性皮膚炎を、更に細かく分けると「刺激性接触皮膚炎」と「アレルギー性皮膚炎」の2種類に分別される。
- 刺激性接触皮膚炎
上記の様な植物や虫の刺激や毒素などの刺激物が直接肌に触れる事で発症する特徴がある。
- アレルギー性皮膚炎
次に紹介するアトピー性皮膚炎と類似している為、湿疹だけでは区別するのが困難です。しかしその発症する過程に違いがあり、アレルギーの原因である物質に繰り返し触れる事で発症するという特徴を持っている。
上記2つは刺激物に触れてから数時間以内に湿疹が発症します。
接触性皮膚炎の症状の特徴としては、基本的に頭皮の湿疹が出ている部分と、出ていない部分の境界線がハッキリしています。
しかし例外として、その境界線を越えて身体全体に発症する「全身性接触性皮膚炎・接触性皮膚炎症候群」というものもあります。
アトピー性皮膚炎の症状と特徴
アトピー性皮膚炎の症状として、紅斑、丘疹、かさぶた、乾燥、ただれ、フケ、苔癬(たいせん)等が肌に出ます。
アトピーは悪化すると「ぐじゅぐじゅ」とした汁が出ます。また、繰り返し掻いてしまうことで、皮膚が厚くなりゴワゴワします。これは苔癬化(たいせんか)と呼ばれます。
左右対称に発症する場合が多いですが、年齢によって出る場所も違ってきます。
乳児は額、頬に出やすく、成人になると顔、首、胸、背中に出やすい。
このアトピー性皮膚炎はアレルギー体質の人が持ち合わせている事が多く、治ったと思っても直ぐに再発することが多い特徴があります。
↓アトピー性皮膚炎の画像↓
引用元:持田ヘルスケア株式会社
身体のバリア機能が著しく低下することにより、紫外線などの外的刺激に弱く、アレルギー体質の人がアトピー性皮膚炎になる可能性もあります。
代表的な例として食べ物のアレルギーがあります。
青魚やそばアレルギー、乳製品等で発症する湿疹です。あなたの周りにもいると思います。
脂漏性皮膚炎の症状と特徴
脂漏性皮膚炎の症状として、紅斑、かさぶた、乾燥、フケみたいな物等が肌に出ます。表面は凹凸でぶつぶつしており、触ると皮むけなどによりザラザラします。
皮脂の分泌が多く、湿気の多い部分で発症することが多いのが特徴です。
↓脂漏性皮膚炎の画像↓
引用元:美保薬局
頭皮のかさぶたの原因は、この脂漏性皮膚炎である可能性もあります。
あまり聞きなれない言葉かもしれません。
この脂漏性皮膚炎には、人によりかなりの個人差がある為、症状の軽い人は頭皮のかさぶたを軽視しがちです。
しかし、それは脂漏性皮膚炎と言う病気かもしれません。
脂漏性皮膚炎について、こちらの記事「頭皮のかさぶた1日でも早く治したい!様々な原因と対策」を参考にして下さい。
乾皮症・皮脂欠乏症湿疹の症状と特徴
乾皮症・皮脂欠乏症湿疹の症状として、乾燥からくる肌のひび割れ、皮膚がカサカサ、フケのようなものが肌に出ます。肌の水分が少なくなる冬に多く、乾燥からくる皮膚の赤みやブツブツとした湿疹も出ます。
冬などの乾燥した状況で発症する事が多く、脂漏性皮膚炎とは逆の特徴を持っています。
↓乾皮症・皮脂欠乏症湿疹の画像↓
引用元:富田林病院
女性や清潔好きな人や皮脂の分泌が少なくなる老人に多く見られます。
主に洗濯や掃除、洗い物等で使用する洗剤によって手が荒れたり、ひび割れしてしまいます。これらは経験のある人が多いと思います。
男性では、工業用の油を取る洗剤や特殊な液等を使用することで、発症する場合もありますね。
頭皮湿疹の原因を見極めよう!
頭皮湿疹の主な原因としては、脂漏性皮膚炎と乾皮症とされることが多いです。
どうでしょう…あなたに該当する種類を特定できたでしょうか?種類が分かったら今度は原因を見つけ対処していきましょう。
頭皮湿疹の原因として共通する事は、「頭皮のバリア機能の低下や頭皮のバリアが外的刺激に負けることで、頭皮湿疹を引き起こす」という事です。
ここで言う頭皮のバリアとは、表皮や皮脂のことです。
接触性皮膚炎の原因
先程述べたとおり、接触性皮膚炎には2つの種類に分類されます。それぞれの原因を見ていきましょう。
刺激性接触皮膚炎の原因は主に以下の2つ。
- 化学成分による刺激。
(シャンプー、リンス、化粧品、整髪料など) - 植物や虫などの毒性が肌へ直接触れる外的刺激。
アレルギー性皮膚炎の原因は主に以下の3つ。
- 金属や植物、ゴム、洋服、紫外線といった物質による外的刺激。
- 猫アレルギーや犬アレルギーといった動物の毛。
- 化学成分による刺激。
(シャンプー、リンス、化粧品、整髪料など)
これらが原因になって頭皮湿疹を引き起こします。
接触性皮膚炎の原因を簡潔にいうと、刺激物やアレルギー物質が皮膚に接触することが原因。
アトピー性皮膚炎の原因
皮膚の乾燥やバリア機能の低下により湿疹が発症する場合が多く、その原因は実に幅広いです。症状も人それぞれであり、症例の数だけ原因があるともされています。そのため完全に特定するのは困難であるともされます。
このアトピー性皮膚炎はまだ分かっていない事も多いのが現状ですが、一般的な傾向としての原因は以下になります。
原因は主に以下の5つ要素に分かれます。
- 遺伝的要素
- 環境的要素
- 心理的要素
- 摂取要因・吸引要因
- 農薬・食品添加物
詳しくは、こちらのサイトをご覧ください。
症状は、1つだけという訳ではなく、複数重なって症状が出ている可能性もあります。
アトピー性皮膚炎の原因の特定は困難なので、病院へ行きましょう。
脂漏性皮膚炎の原因
頭皮のかさぶた対策の記事でも書きましたが、頭皮にかさぶたができたら脂漏性皮膚炎かもしれません。
脂漏性皮膚炎の原因は主に以下の6つ。
- マラセチア菌の増殖。
- ビタミンB1,B2の不足。
- ホルモンバランスの乱れ。
- アルコール依存。
- ストレス。
- シャンプーやリンスの過度な洗浄力による皮脂の除去。
これらが原因になって頭皮湿疹を引き起こします。
頭皮の皮脂が過度に分泌された状態、且つジメジメした環境だと皮膚の常在菌であるマラセチア菌の増殖により、皮脂が分解され酸化した物質が頭皮に刺激を与える事が最も多い原因です。
最後の「シャンプーやリンスの…」とは、これにより頭皮の皮脂を必要以上に除去してしまうことが原因で、頭皮の皮脂量が本来の皮脂量よりも多く分泌されてしまう可能性があります。
これが結果的に、マラセチア菌の増殖を手助けする形になります。
脂漏性皮膚炎の原因を簡潔に言うと、頭皮の皮脂が大量に分泌されてしまうのが原因。
乾皮症・皮脂欠乏症湿疹の原因
砂漠の枯れ果てた大地、これを想像すると分かり易いと思います。砂漠に元気な草は生えていません。これと同様に、乾燥した頭皮に元気な髪の毛は生えてきません。
乾皮症・皮脂欠乏症湿疹の原因は主に以下の4つ。
- シャンプーやリンス、洗剤の過度な洗浄力による皮脂の除去。
- 湿度の低下による空気の乾燥。
- 強風、からっ風による肌の乾燥。
- 紙、洗顔シートによる皮脂を奪い去る物質への接触。
これらが原因になって頭皮湿疹を引き起こします。
皮脂を奪い去る洗浄剤等が主な原因になります。これには接触性皮膚炎と同じようにシャンプーやリンス、トリートメント等も含まれます。強い洗浄成分は頭皮の皮脂を落とし過ぎてしまうからです。
さっきの話だと皮脂を落とし過ぎると、皮脂の分泌量が増えるのだから乾皮症の原因にならない様にも思えますよね。
皮脂を取り過ぎた場合は頭皮はまず乾燥します。
そして頭皮の乾燥状態が続いた後、皮脂の分泌量が増えるので、1度乾燥したぐらいで直ぐに皮脂の分泌量が増える訳ではありません。
乾皮症の原因を簡潔に言うと、頭皮の皮脂が少なすぎるのが原因。
【自宅で出来ること】頭皮バリアを健全に保つには
はじめに、頭皮湿疹は病院へ行きましょう。
基本的なことですが、大切なことです。しかし、「自宅でも何かできることはないか?」と思っている人も多いはずです。
頭皮湿疹で共通するところは頭皮(肌)の乾燥を防ぐことです。頭皮の乾燥を防ぐには頭皮のバリア機能を健全に保つ必要があります。
原因で書いたように、「シャンプー、リンス、トリートメント、化粧品、整髪料などといった化学成分による刺激。」が頭皮湿疹の原因である可能性があります。
自宅でも出来る対策としては、シャンプーやリンスを刺激の少ない物に変えることです。
シャンプー剤の裏側には、成分表が書かれています。今あなたが使用しているシャンプーの裏側を見ると分かりやすいです。
その成分表の中に
- ラウリル〇〇系
- ラウレス〇〇系
- 〇〇硫酸〇〇系
と書かれていれば頭皮(肌)にとって、とても強い洗浄成分ですが、市販のシャンプーには一般的に使用されている洗浄成分です。
詳しくは、こちらの記事「頭皮の架け橋!育毛シャンプーの基礎知識」にも書いています。
強い洗浄成分は頭皮に刺激が強く、皮脂を取り過ぎてしまい、その結果あなたの頭皮は乾燥した状態になります。
この乾燥した頭皮は「無防備」の状態です。
頭皮の皮脂は、あらゆる刺激からあなたの頭皮を守ってくれる大切な役目をしており、適度な皮脂量を分泌している環境が、頭皮に潤いを与えてくれる良い状態です。
「頭皮バリアを健全に保つ」とはこういうことです。
つまり、頭皮のバリア機能が弱体化していると、頭皮が乾燥したり細菌が繁殖する可能性があり、それが頭皮湿疹に繋がります。
なので、自宅でも出来る対策としては、シャンプーやリンスを刺激の少ない物に変えることです。
市販されているシャンプーは、きつい洗浄成分であってもボタニカルとか天然由来などと名前を付けて、頭皮に良さそうなイメージでCMでもバンバン放送されてますが、刺激の強いシャンプーが多いのが現状です。
では、何のシャンプーが本当に良いのか?
答えは、天然由来の界面活性剤を使用すること。その中でもアミノ酸系のシャンプーが頭皮にとって1番良いとされています。
頭皮に1番良いアミノ酸系のシャンプーを使用したい人
アミノ酸系のシャンプーは、頭皮や髪の毛に良い成分ですが、その分コストが掛かります。
なので、アミノ酸系と記載されていても、肝心なアミノ酸系の洗浄成分がほんの少ししか配合されていないのにも関わらず「このシャンプーはアミノ酸系ですよ!」と記載されているシャンプーも数多く存在します。
当サイトでも、いろいろなアミノ酸系のシャンプーをご紹介していますが、その中でもおすすめは以下の2つです。
これらは頭皮環境を整える目的で開発されているシャンプーなので、頭皮バリアを健全な状態にして、保つにはとても良いアミノ酸系のシャンプーです。じつは私も使用しています。
※直接的に頭皮湿疹や脂漏性皮膚炎に特化しているシャンプーではありません。
なので、次に紹介する頭皮トラブル専用として開発されたシャンプーの方が、湿疹を抑えやすいです。
頭皮湿疹のかゆみを今すぐ何とかしたい人
頭皮湿疹のかゆみを今すぐ何とかしたい人には、こちらのKADASON(カダソン)シャンプーがおすすめです。
カダソンシャンプーは皮膚科の専門医が監修したシャンプーで、頭皮湿疹をはじめとする頭皮の痒み、赤み、フケなどの頭皮トラブル専用に作られたシャンプーです。
脂漏性皮膚炎の人には、特に使ってもらいたいと公式サイトでも書かれているほどです。このような湿疹や皮膚炎に特化したシャンプーもなかなか無いので、一度使ってみるといいでしょう。
こちらは男女兼用です。
公式サイトはこちら⇒「頭皮の辛いカユミとフケにおすすめのシャンプー【KADASON】 」
以上が「自宅で出来ること」です。
まずは身近な存在で、毎日使うものから対策していきましょう。
シャンプーやリンスを変えるだけでも、徐々に頭皮バリア機能を健全な状態にもっていくことが大切ですね。
頭皮湿疹は病院へ!
自分の頭皮湿疹が何の種類で何が原因か分からない!
そんな人は、迷わず病院へ行きましょう。皮膚科で良いでしょう。
病院に行く人の約3人にひとりは、皮膚の湿疹と言われています。それほど、湿疹で悩む患者さんは多いようです。
頭皮湿疹で悩んでいるのは、あなただけではありません。
頭皮のかさぶた対策でも書きましたが、早い段階で病院へ行くことをオススメします。治療方法は、基本的に外服薬(ステロイド剤)での治療になるでしょう。場合により内服薬やパッチテストをする場合もあります。
先ほどのシャンプーや日常的なことは、病院のあと考えれば良いことです。先生に直接聞いてみることが1番早いし確実です。何より気分が楽になりますからね。
まとめ
何度も言いますが、頭皮湿疹は病院へ行きましょう。
病院へ行き内服薬や外服薬で治療を行い、あなたの頭皮湿疹は一時的には良くなるはずです。
しかし、多くの人は再発してしまいます。
何故か…!?
それは薬と言うのは、治すのが目的であって、予防や対策はまた別の話だからです。足に水虫ができている人は、なかなか治りません。それは頭皮湿疹でも同じことが言えます。
これらを軽減させるには、原因を無くすか減らすしかありません。
これも何回も言いますが、だからこそ頭皮湿疹の種類や原因を知っておくことが大切なんです。
私が上記で書いた対策は、あなたが日々の生活で行っていくことです。多少、時間が掛かるかもしれませんが、結局はこういった地道な行動が1番の予防になります。
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